Interview／わかさ氷ノ山で働く仲間たち
同級生とつくる、ワクワクする職場

Intereview／わかさ氷ノ山で働く仲間たち
同級生とつくる
ワクワクする職場

鳥取県と兵庫県の県境にそびえる氷ノ山中腹にたたずむ「高原の宿氷太くん」は、館内至るところから雄大な眺めが広がる若桜町営の宿泊施設です。
2023年10月から新たな運営体制に変わった施設を中核スタッフとして盛り立ているのが、山本光一郎さんと岸本佑介さん。
ふたりは、地元で小学校から高校まで一緒に過ごした同級生。約20年後に偶然再会して、なんと同じ職場で働くことになりました。

偶然、それとも運命？鳥取市内の飲食店で再会

山本さんも岸本さんも、高校卒業後は若桜町を出て、鳥取市内で働く道を選びました。
山本	鳥取市内の会社に就職して、30代で人生の転機があって「今の仕事でいいのだろうか？」と今後の人生を考えるところがあり、地元の先輩に紹介してもらって「氷太くん」に転職しました。両親や祖母は、僕が地元に戻ってきたことをとても喜んでくれました。
岸本	僕の方は、ずっと鳥取市内の飲食店で働いていました。ある日、店で突然「ゆうすけ！」と声をかけられ、びっくりしました。話してみると、同級生の山本でした。
山本	飲み会の後にシメのラーメンを食べたくなって入ったのが、偶然、彼の店だった。本当に偶然の再会です。当時ちょうど新しい料理長を探していたところだったので、すぐに連絡先を交換して後日、氷太くんに来て仕事を手伝ってもらったりしました。

20年以上ブランクがあっての再会、すぐにお互いのことがわかったかというと
山本	僕はすぐに分かりましたよ！だって顔が全然変わってない（笑）
岸本	子供のころは一緒に魚釣りをして遊んで、仲良かったんですよ。山本は、子どもの頃はおとなしかった印象で、今は見違えるほどしっかりして頼りになります。
山本	佑介は、いつも周囲を笑わせているおもしろい子でした。そういうところは、今でも変わってないと思います。

誘われて面接を受けるも、まさかのアクシデント

一緒に働きたいと思った山本さんは、岸本さんに面接を受けるようすすめます。
岸本	幼なじみが先に働いている会社という安心感と、地元で一人暮らしをしている母親のことも気になっていて、いい機会だと思いました。転職には不安もありましたが、山本と一緒なら、きっと毎日楽しいだろうなと。ワクワクする気持ちの方が強かったです。

紹介者もあるなら難なくクリアして一緒に働けることになったかと思いきや。。
山本	それが、そう簡単ではなく。役員面接で、なんと佑介が極度の緊張と初対面の警戒心から態度が悪かったそうで、あやうく落ちかけて「あいつはどうなんだ！」と呆れる社長を必死にフォロー、再度面接をしてもらい、こんどは大丈夫でした。無事合格して採用が決まったと知ったときは、もう泣くほどうれしかったです。
岸本	2回目の面接の前、山本に「ちゃんとしてくれ！」と怒られました（笑）
山本	祐介は面白いやつで、態度が悪いってことはないです。実際、入社後は普段の仕事ぶりや飲み会などを通じて人柄の良さなどが伝わり、すぐに打ち解けることができました。いまでは社長にも気に入られ、食材買い付けツアーに二人で一緒に行くほどです。

仕事内容や職場での関係、これからの夢

そして12月現在。「氷太くん」で、いま二人がどんな仕事をしているかというと
山本	フロントからお客様の送迎、館内レストランのウエイター、企業や団体への営業、掃除、これからの季節は除雪作業もあります。できることは何でもやっていますね。
岸本	僕の方は料理長として料理を作り、新メニューの開発もしています。
山本	「氷太くん」ではスキー場のレストランも運営していて、佑介はその新メニューをつくってくれています。彼がつくる「みそラーメン」は、ひと味違って本当においしい！佑介が来てから試食の回数が増え、ついつい食べ過ぎて少し太ってしまいました（笑）
岸本	他所だと、彼みたいな営業側の立場と料理人という立場は、予算面など対立しがちと思うんです。でも、僕らには以前からの信頼関係があるから、何か問題が出てきても、一緒に考えようということになり、以前よりずっと仕事にやりがいを感じています。
山本	佑介効果なのか、職場に笑顔が増えてきたように思います。うちで働かないかと声をかけたとき、きっと職場が楽しい雰囲気になるだろうと想像した、狙い通りです。
岸本	同じ仕事をするのでも、職場の人間関係がうまくいかないと大変。そこの悩みがないから働きやすい。山本と再会して一緒に働けて、本当にラッキーだったと思います。

同級生ふたりが思い描く、地域活性の秘策とは

一度地元を出ているからこそ気づいた、若桜町で働く魅力もあります。
山本	ここは標高が高く、景色が本当にすばらしいんですよ。山に行くと、たまに野生の動物、ウサギとか見かけることもあり、鳥取でもなかなかない大自然があります。
岸本	空気の匂いで四季を感じられるし、夕日がとてもきれいです。鳥取市内で暮らす、僕の子どもたちにも見せてあげたいと思いますね。
山本	若桜町の魅力はいっぱいある、それでも現実に人口は減少していて、働く場所が少ないから同級生の大半は、地元を出たっきりです。僕らが「氷太くん」を盛り上げて、地元を出ていかなくていい、もっと多くの人が働ける場所にしていきたい。
岸本	僕以外の同級生も、地元の両親のことは気がかりだと思うんですよ。そんなとき、働く場所なら「氷太くん」もある、と思ってもらえるようにできたら嬉しい。

「氷太くん」は、観光のお客様だけでなく地元の人々が集まる場所でもあります。
山本	冬はスキー、夏は登山やキャンプ、それ以外にも楽しみ方はいろいろあります。町の人も、氷ノ山の大自然へ気軽に遊びに来てほしいです。佑介が料理長になってから、食事でおかわりされる人や、チェックアウトの際「おいしかったよ」と伝えてくださる方も増えました。料理を楽しみに来てもらえる宿にだってできると思っています。
岸本	町外で頑張っている同級生に向けて、まずは「氷太くん」で同窓会を開きたいですね。僕らの代の同級生が集まるだけじゃなく、もっと若い人も、若桜町を知らない人にも。たくさんの皆さんに来てもらえる場所にしていきたいです。

中一＆スマイルカンパニー株式会社
管理課長・山本光一郎／料理長・岸本佑介

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